ナイト・レンジャーの通算12作目のニューアルバム。アメリカン・ハードロックの帝王なんて肩書で呼ばれることも多い彼ら。継続は力なり・・・じゃないけれど、年齢と共にそんな風格も出てきた感じ。とはいえ、最大のウリはやはり陽気で疾走感のあるロックとメロディアスでセンチなパワーバラードだろう。ジャックとケリー、二人のヴォーカルが生み出すキャッチーなメロディは依然として健在だ。
タイプの違う2人のヴォーカル、ソングライターが奇跡的に共存できていることが凄い。曲によって歌い分け、コーラスでは素晴らしいハーモニーとなっている。また、ブラッド・ギルスといういアーミング・プレーで有名なギターヒーローがいることもナイト・レンジャーというバンドの武器になっている。このアルバムではさらに円熟味を増したギター、芳醇なウイスキーのような味のあるギターを聴かせてくれている。
01. Coming For You
02. Bring It All Home To Me
03. Breakout
04. Hard To Make It Easy
05. Can’t Afford A Hero 試聴 YouTube
06. Cold As December
07. Dance
08. The Hardest Road 試聴 YouTube
09. Monkey
10. A Lucky Man
11. Tomorrow 試聴 YouTube
12. Savior
代表曲「Don’t Tell Me You Love Me (YouTube)」のような疾走感あるメロディこそが真骨頂という向きもあるけれど、ナイト・レンジャーの良さは他の荒々しいハードロック・バンドには無い何か日本人的な郷愁を誘うバラードにあると思う。その「センチメンタル」で「柔らかい」メロディが、日本人のハートによく響くのだと思う。
ハードロック隆盛の時代に生まれたバンド。今後も継続して明るくノリのいいアメリカン・ハードロックを提供し続けて欲しい。30年続くバンドの歴史を考えればもう還暦近い年齢になっているはずだけれども、流れてくる音楽は依然として変化、成長をしている感じ。新譜を聴く度に今までとは違うカッコ良さが加わっているのだから驚きだ。